合板卸値が一段高、輸入構造用は11年ぶり高値

2018/1/24 20:37日本経済新聞 電子版

住宅の内装材などに使う合板の流通価格が一段高となった。東京地区で建材問屋が工務店などに卸す価格は、壁や床、屋根の下地に使う輸入構造用合板(12ミリ)が1枚1410円(中心値)。前月に比べ30円(2%)高い。原料の南洋材で品薄が続く一方、公共施設など需要が底堅い。1年間で90円(7%)上昇し、2007年以来11年ぶりの高値となった。

普通合板も値上がりした。厚さ9ミリは1枚1385円と前月比20円(1%)高い。特に住宅の内装や家具など幅広い分野に使う「薄物」と呼ぶ2.3ミリの上昇ピッチが急だ。1枚590円と前月に比べ10円(2%)高く、1年間で145円(33%)値上がりした。

環境規制が厳格になっているマレーシアなどの主産地が雨期に入り、南洋材丸太の出荷が一段と減っている。「薄物の表裏に使う良質な南洋材が少なく、薄物の品薄ぶりが顕著になっている」(専門商社)

17年11月の新設住宅着工戸数が5カ月連続で前年実績を割り込むなど、民間住宅需要はやや軟調だが、「保育園や公民館といった非住宅の公共施設向け需要は旺盛な状況が続いている」(大手プレカット)といい、需要は底堅い。

輸入合板の在庫が少ないこともあり、国産針葉樹合板の引き合いが強まっている。「(床材専用の)フロア台板などの引き合いが増えており、工場稼働率は高水準が続いている」(合板大手、秋田プライウッドの渡辺一徳専務)