Project Philosophy
プロジェクト理念と行動指針

日本は、私達人間が生存するにおいて、格別に恵まれた自然環境を与えられた地域です。その恵みを有効に活用してきた先人達の営みが、独自のコミュニティーや豊かな文化を育んできました。その代表的な一つが「日本の木の文化」でした。

この木の文化を支えてきた森林資源の樹木は、人の手により良好な循環を促すことで、持続的・安定的かつ再生可能な資源となり得ますが、現在は循環が乱され不均衡に大量に存在している現実があります。

近年、この資源を放置したまま木材需要の大半を輸入に頼って日本の林業が衰退し、それを因として管理の行き届かなくなった森林(自然環境)は、私達に厳しい現実を突きつけます。

「日本の木の文化」は、建築分野に限られるものではありませんが、歴史的建造物を見てもその木材活用技術は、かつて世界最高峰を誇っていました。しかしながら近年、木材産業や建設業界をはじめとする社会全般が、経済的効率等を優先して国産材活用(日本の森林資源有効活用)の努力を置き去りにした時期を同じくして、その木の文化が衰退・退化している現実があります。

この森林・林業・木材産業の問題は複雑化した社会状況などと密接に関係しており、今となっては一長一短に解決する事が困難な状況に追い込まれています。しかし、その克服の基本は「森林資源を有効に活用し循環を促す事と、それを促進するために林業を活性化し、産業的自立を図る事」にあると考えます。ただし、くどくなりますが、それらの需要の拡大はあくまでも、壮大な自然の循環システムに沿ったものでなければなりません。

私達SSDプロジェクトは、建築分野において国産木材が使用されなくなった経緯を反省した上で、その需要を量・質共に充実させることを行動指針としています。

 

名称未設定 私達は約10年前に後々住宅等の建設を取り巻く環境が大きく変化することを予測し、消費型からストック型社会、持続可能な循環型社会への移行の必然性を見据えて、国産木材有効活用の意義を理解し、当該事業に着手しました。

この間、国産木材が利用されなくなった要因が、品質への曖昧認識や安定供給システム構築への意識不足等、業界内のイノベーション不在にあると感じました。

それゆえに、木材品質確保のための乾燥技術などの基礎的開発から取り組む必要がありました。現在までの到達点として、新規木材乾燥技術の確立、それに伴う品質保証木材(JAS機械等級区分製材)の供給開始、巨大産地(熊本県球磨地域)と巨大消費地(関西地区)を一気通貫でつなぐ供給体制の構築がなされております。

これら一連の事業は2013年度に経済産業省と農林水産省の共管事業「農商工連携事業」の認定を受けております。

この事業自体がその途中ながらも、これまでの成果を獲得出来たのは、熊本県球磨地域産出の木材が基本的性能に優れ、且つ全国的にも稀な安定供給が見込まれる産地である事が寄与したうえに、何よりも産地関係者の方々の辛抱強い御協力を長期にわたり得られたことが大きな要因であったと考えます。これまでの産地関係者と流通関係者の連携を、木材活用技術開発をファクターとして更に深めて事業を推進し、成果の獲得に努めてまいる所存です。

そして、この事業がユーザーに安全安心を提供して国産木材への信頼を獲得し、ストック型社会・循環型社会の形成に貢献すると共に、森林・林業・木材の諸々の問題・課題を克服することの一助となる事を願っています。加えて、産地地域の活性化をはじめとして、環境的見地からも経済的見地からも良好、且つ継続的な循環を促す事への貢献が叶うことも望んでいます。