Efficacy
地域活性化貢献

当方の国産材品質保証供給が、木材産地の熊本県上球磨地域に対して、その規模なりの活性化貢献が果たせるものとの思いを持っています。しかしながら、人口が6千人程度(湯前町と水上村の人口合計)の上球磨地域において従来の木材素材生産実績約12万㎥、球磨地域全体では約25万㎥を誇る林業隆盛地域に対して、現時点ではその貢献度合いは決して大きなものでは無いとも理解しています。

その反面、SSDプロジェクトの新規開発技術が、当該地域の林業が抱える課題の克服に寄与し、当地の林業の将来に対して明るい兆しを提供出来るとの自負もあります。

名称未設定全国的にも稀な、安定的供給可能な当該地域は、その豊富な資源量と共に、林業・木材関連に従事する人口割合が比較的に高い事が、それを可能にしています。上記の上球磨地域の人口6千人に対して、森林組合の組合員並びに林業木材産業従事者の合計は千人弱となります。しかしながら、他地域に比べると多くの若者が存在するものの、御多分に漏れず、恒常的な人手不足と高齢化の問題を抱えていることは否めません。その主たる原因は、他地域と同様に、木材価格低迷をはじめとする林業の衰退にあります。

この地域にある3つの木材関連組織(大型製材工場を運営する地域の森林組合、素材市場運営と造林・育林事業を行う事業協同組合、第3セクターのプレカット工場)は、健全経営を維持し、例年配当金を出していますが、その背景には地道な経営努力と歯を食いしばるような地域林家の我慢が存在しています。

この地域では、林家の内の少なくない人達が、林業企業・木材関連企業の経営に携わるか或は、それらに従事しており、木材(原木)販売以外の林業・木材関連収入を得て地域林業を支えるという特徴的な構図があります。しかしながら、その構図をしても現状維持がままならない状況で、林業従事者のみならず、若い世代の他地域への流出や高齢化等により当該地域の人口自体が減少の一途をたどっています。

近年、上球磨地域を含む九州南部において、木材価格の異変が起こっています。

当該地域は気候に恵まれ樹木の生長が早い地域です。これに加えて、九州では初期の成長が早い品種の杉が植えられているとの説もありますが、いずれにしてもこの地域の伐期を迎えた杉の元玉(樹木の根元部分の原木丸太)は、直径が裕に400㍉を超えるまでに成長しています。中には500㍉を超えるものも珍しくありません。全国的な平均は300㎜程度です。

従来、大径木化は伐採搬出価格の単価を下げる上に、元玉は梁桁材や無節等の付加価値材が採取可能な、いわば稼ぎ頭の部位でありました。それが昨今、梁桁材需要を外材や集成材に奪われたあげく、最近のオートメーションの製材ラインや合板製造ラインに大きすぎて乗らないために、売れなくなっています。平均価格よりも3割程度下げてでも売れればまだ良い方で、最終的には売れ残りが市場に積み上げられて、チップ用材(平均価格の半額以下)に回されているのが現状です。このことが最近の林家収入を下げている原因の一でもあります。

SSDプロジェクトの新規開発技術の「丸太状熱処理と芯去り製材手法」は、この大径丸太を有効活用する事を目的の一として開発されました。これにより、元玉大径丸太を平均価格相当で買い取ることが可能になります。その差額は価格の3〜5割と決して小さな金額ではありません。しかも、それは直接林家に届くのです。また、先にも書いたように、この製材法は最近のオートメーションの製材機(ツインソー)で加工することは、現在のところ不可能です。従って、地場密着型の中小零細製材所にある台車曵き製材機での加工が主流となります。

このSSDプロジェクトの新規開発製材製造技術による需要拡大が、当該産地における林業および経済活動等の活性化に対して、従来の単純な木材需要拡大と比較して圧倒的に高い効用の提供が可能な事を御理解頂けるものと思います。

この大径木化は、今は九州南部に限られた特有の問題ですが、いずれは全国的な問題・課題となります。最近、(独)森林総研においても、以前は聴こえてくることの無かった、大径丸太の有効活用手法の研究の話題を確認する機会が増えました。これから10年程度の後には、各所で大径木化対応の課題が表面化するものと推測します。その際に、当方の行動が参考事例となれるように取り組みを継続拡大することに努める所存です。そして、何よりも当該事業の成果を獲得して、木材産地の林業をはじめとする地域活性化に実質的に貢献出来るよう、実直に事業推進をはかります。

また、SSDプロジェクトでは産地林業貢献の一環として、球磨郡湯前町において、熊本県と湯前町と共に「協働の森づくり」協定を結び「くれないの森ゆのまえ」(2ha弱規模)の育林事業にも取り組んでいます。