北米産丸太、1000ドル台に上昇 12月積み

2017/12/8付日本経済新聞 朝刊

住宅の梁(はり)など建築用部材に使う北米産丸太の対日輸出価格が一段高となった。指標品となる米松IS級(直径30センチ以上)の12月積み価格は千スクリブナー(約5.4立方メートル)当たり1010ドル(FAS=船側渡し)と11月積みに比べて50ドル(5%)上昇し、1997年3月以来の1千ドル台となった。米国内での製材需要が堅調で輸出分の品薄が続いている。

対日価格の上昇は5カ月連続。IS級は年初比で160ドル(19%)上昇した。屋根を支える部材に使う米松小径木(SLC級、直径20~28センチ)の12月積みも同1000ドルと11月積みに比べて5%高い。

7月のカナダの山火事の影響で原木不足が続き、在庫水準も増えていない。一方、米国内の建築需要は順調だ。米商務省によると10月の米住宅着工件数は約129万戸(季節調整済み、年率換算値)と前月改定値より13.7%増え、市場予測を大きく上回った。

米松丸太の商社売値も上昇した。現在1農林石(約0.28立方メートル)当たり8000~8100円(本船渡し)と前月比300円(4%)高くなった。「丸太不足は深刻で当面下落する要因が見当たらない」(大手商社)という。米松製材最大手の中国木材(広島県呉市)は「丸太が調達できなければ商売にならず、2カ月連続の大幅アップを受け入れざるを得ない」という。