建築コスト上昇、国産材シフトを後押し

2017/11/9 20:00日本経済新聞 電子版

木材価格の上昇を受け、住宅の建築コストも上昇基調だ。建設物価調査会(東京・中央)の調べによると、木造住宅の工事原価指数は今年9月に105.7と前月比0.15ポイント増。前年同月比では0.59ポイント高い。

木材価格高に加えて、「人手不足に伴う人件費高もあり、コストは確実に上がっている」(住友林業の細谷洋一国際流通営業部長)という。

鋼材など他の建設資材の価格も高く、「戸建て住宅の見積価格に影響を与える可能性もある」(前田建設工業)との声も出てきた。

輸入木材の価格上昇は、国産材に追い風となりそうだ。2016年の木材自給率は約35%と30年ぶりの高水準だった。合板の16年の国内生産量も輸入量を21年ぶりに上回った。床材に加え、東南アジア産木材(南洋材)のシェアが高いコンクリートを固める際に使う型枠用合板も輸入減が当面続く見通し。不足分を国産材で補う動きが活発になるとの見方が出ている。