北米産丸太、対日価格が一段高 原木供給細る : 日本経済新聞 電子版

2017/9/6 22:37日本経済新聞 電子版

北米産丸太の9月積みの日本向け輸出価格が一段と上昇した。指標品は8月積みに比べ2%高く、2カ月連続で値上がりした。7月にカナダ西部で起きた山火事で米国で丸太や製材品の需要が伸びたうえ、新たな山火事を警戒した入山規制で原木供給が細った。

住宅の柱や梁(はり)に使う米松丸太の指標品のIS級(直径30センチ以上)の9月積み価格は千スクリブナー(約5.4立方メートル)あたり890ドル(FAS=船側渡し)。前の月に比べ20ドル(2%)上がり、2年8カ月ぶりの高値水準に達した。

屋根を支える木材などに使う米松小径木(SLC級、直径20~28センチ)も同880ドルと、8月積みに比べ30ドル(4%)高い。7月のカナダの山火事は鎮火したものの、カナダ産原木の不足で米国産丸太に需要が集まる。

山火事が起こりやすい季節に入り、米国でも西部オレゴン州で山火事被害への警戒から入山が制限され、伐採量が抑えられている。米のカナダ産製材品の関税引き上げもあり、米国産丸太の現地価格は年初に比べ1割強上昇した。

品薄感から米林業大手が対日価格の引き上げを提示。数量を確保したい日本側が受け入れた。