輸入合板 値上がり 国内卸値、在庫は低水準

2017/8/1付日本経済新聞 朝刊

コンクリートの型枠や住宅の内装に使う輸入合板の国内卸価格が上昇した。主産地マレーシアの伐採増税や環境規制で日本向け南洋材合板が値上がりし、建材問屋が仕入れ価格の上昇を転嫁した。国内在庫は低水準で、卸値はさらに上がるとの見方が強い。建設コストを押し上げそうだ。

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建材問屋が工務店などに卸す価格(東京地区)は、型枠用合板(厚さ12ミリ)が1枚1330円(中心値)と前月比で30円(2%)上がった。型枠用合板の値上がりは約8カ月ぶり。住宅の壁や床に使う構造用合板(厚さ12ミリ)も1340円で20円(2%)高い。

南洋材合板の対日価格は6月積みから上昇基調を強めた。マレーシアの合板企業は伐採税増税と環境規制による原木不足を理由に、8月積みまで3カ月連続で対日価格を引き上げた。量の確保を優先する日本の商社はほぼ提示通りの値上げを受け入れ、建材問屋に転嫁していた。

インドネシア産合板の対日価格も代替需要で6月から3カ月連続で上がった。現地の合板企業は10月積みの対日価格を引き上げる意向を日本の商社に伝えた。

輸入合板の国内在庫は低水準だ。木材の流通業者によると、千葉港では約5万5千立方メートルの倉庫スペースに対して在庫は2万立方メートルを下回る。