スギ材使い耐力壁 国交相認定取得/鳥取県林業試験場

 国土交通大臣認定を取得した「スギ厚板耐力壁」=鳥取市河原町稲常で、小野まなみ撮影

毎日新聞

県林業試験場が開発した揺れに強い「スギ厚板耐力壁」が、国土交通大臣認定を取得した。住宅を新築する際に耐震構造部材として認められるようになり、同試験場は、県産木材の消費や地震に強い家づくりにつながると期待している。

「耐力壁」は、地震の横揺れや強風などへの強度を上げたもの。今回認定を受けたのはスギ板を組み合わせた壁(厚さ3センチ)で、板同士は、溝を作る「本実(ほんざね)加工」を用いて接合した。さらに接合部にはヒノキで出来た「ダボ」と呼ばれる部材を使用。横揺れが加わった場合にダボが変形することで、揺れの力を逃しやすい仕組みになっている。耐力の強さを示す「壁倍率」は基準の2・2倍あり、震度6相当の揺れでも倒壊しないという。

同試験場によると、耐力壁の大臣認定を受けている自治体は全国で他に3例のみ。県内では既に、10軒以上の住宅のリフォームなどに使われている。昨年10月の地震では、この耐力壁を使った倉吉市と三朝町の民家2軒の構造部には被害が無かったという。

県産のスギとヒノキを使用することを想定しており、県は県産木材の消費拡大に期待している。同試験場は「県内の林業の活性化にもつながる。(昨年10月の)地震で被災した住宅の修繕にも積極的に使ってもらえればいい」と話している。【小野まなみ】

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