木造住宅、富裕層獲得争い 大和ハウスが自由設計型

大和ハウス工業は12日、高級路線の木造住宅を14日に発売すると発表した。間取りや外観を自由に設計できるのが特徴。少子高齢化を背景に、新規の住宅着工は今後減少する見込み。販売単価の引き上げにつながる高級木造住宅は競合他社も注力しており、富裕層の獲得争いが激しさを増しそうだ。

 

木の質感を生かした開放感あるデザインが特徴的なフルオーダー住宅のモデルハウス(12日、兵庫県芦屋市)
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木の質感を生かした開放感あるデザインが特徴的なフルオーダー住宅のモデルハウス(12日、兵庫県芦屋市)

新製品「プレミアムグランウッド」の販売価格は1坪(3.3平方メートル)あたり100万円以上を想定。首都圏や近畿圏などで展開し、初年度50棟の販売を目指す。同日午前、兵庫県芦屋市で先行的に建てた木造住宅を披露。大友浩嗣取締役常務執行役員は「プレハブ住宅でできないものを実現していく」と話した。

顧客1人につき、営業・設計・施工の担当者による専任のプロジェクトチームを結成。無垢(むく)の木材や特注の木製トリプルガラスサッシなどを提案し、品質保証などで設計事務所に対抗する。同社は木造建築も手掛けるが工業住宅の手法を取り入れてきたため、設計の自由度に限界があった。

2016年の新設住宅着工戸数は前年比6.4%増の96万7237戸で持ち家も増えた。ただ、長期的には世帯数の減少は確実。野村総合研究所は30年度に新設住宅着工戸数が約54万戸になると予測する。坪100万円級の高級木造住宅は積水ハウスなど競合も力を入れている。