合板・厚物、引き合い強く強含み 在庫、東日本大震災以来の低水準

 住宅の壁や床に使う厚物合板の4~6月期の問屋卸価格は強含みで推移しそうだ。木造住宅着工が好調で引き合いが強く、在庫量は適正水準とされる1カ月分の生産量を大きく下回っている。

針葉樹合板の2月上旬時点の東京地区の問屋卸価格は、指標となる12ミリ厚の構造用が1枚990~1,010円。2015年7月から上昇傾向にあり、17年1月には2年7カ月ぶりに1枚1,000円台に乗せた。在庫は東日本大震災の影響で東北の工場からの供給が滞った11年夏以来の低水準で推移している。最大手のセイホク(東京・文京)グループの秋田市の工場で16年4月に起きた火災で供給余力が低下していることも影響した。

品薄感が続く一方、秋田の工場は3月に操業を再開し、供給力は大きく増加する。「工場の稼働後は在庫が増え、価格が上がりにくくなるのではないか」(建材商社)といった見方も出ている。