2017年展望㊤ 新設住宅、前年割れも90万戸台維持か

2016年は消費税10%への引き上げが延期になり、期待されていた住宅の駆け込み需要が見込めなくなることで低調な需要環境となるかと見られていた。しかし、住宅ローンの低金利、株価の上昇、相続税対策など様々要因から予想外に好調で年間で新設着工数が97万戸を超える可能性も出ている。戸建て分譲住宅の完成在庫の増加、賃貸住宅の過剰供給、地価上昇によるマンション着工や抑制など、17年は反転し減少に向かう可能性が高い。
17年は貸家の供給過剰や戸建て分譲住宅の売れ残り在庫の増加などから、春先には着工が減少に転じるとの見方が強く、年間では92万~93万戸程度に減少するとの予想が大勢を占める。昨年後半からの好調な資材の荷動きが、春先には鈍化することが予想され、円安によるコスト高の転嫁が難航しそうな状況にある。
昨年末から続いた合板不足やRウッド集成平角の品薄などは解消に向かいそうだ。火災で消失した合板工場の再稼働もあり、供給は今後増えてきそうだ。合板不足に対してもメーカーが値上げを小幅に抑える安定価格を志向した販売戦略をとったことで相場変動は抑制された。
米国の大統領選挙の結果を受け、予想外のドル高円安が続き、外材関係のコスト高が今後表面化してくる。加えて米国の住宅着工も好調なことでSPFディメンションランバーは、産地価格も値上がり、円安と合わせたダブルパンチとなって効いてくる。2×4工法住宅が賃貸向けを中心に堅調なことでコンポーネント会社は高値追随を容認しそうな情勢だ。