北米産丸太、8カ月ぶり上昇 9月対日輸出価格

2016/9/20 23:31
日本経済新聞 電子版

 主に住宅のはりに使う北米産丸太の対日輸出成約価格が8カ月ぶりに上昇した。指標品の米松丸太(IS級、直径30センチ以上)の9月積みは1000スクリブナー(約5.4立方メートル)あたり830ドル前後(FAS=船側渡し)だった。前月積みと比べ10ドル高い。米国の住宅着工が好調で、産地の木材メーカーは北米市場向けの出荷を優先し、輸出余力が低下している。

米国の7月の新設住宅着工件数は季節調整済みの年率換算値で約120万戸と、前月の改定値に比べ2.1%増えた。住宅用製材品の原料となる丸太の引き合いは強い。

日本の国内需要は競合品に押されて振るわない。北米産丸太を多く輸入する中国で需要が上向きつつあるのも産地側の値上げの一因となった。10月積みは「海上運賃も上昇している。割高感が強まる、もう一段の産地側の値上げは難しいのではないか」(東京の木材問屋)との観測もある。