SSDの取り組みが日刊木材新聞にて取り上げられました。

SSDプロジェクトの取り組みが、2015年10月8日の日刊木材新聞にて、取り上げられました。

以下に記事の書起しを掲載します。

2015.10.08 日刊木材新聞記事 紅中(大阪市、中村晃輔社長)が取り組む国産材品質表示推進協議会SSDプロジェクトは、機械等級区分構造用製材の供給体制整備が進み、地場ビルダーと連携しての新設住宅向け需要開拓、また、非住宅木造建築物向け提案営業も本格化している。同プロジェクトでは、今後の需要増に対応した製品供給力拡充に向けた設備投資を検討していく方針で、併せて既に取り組んでいる構造材以外の需要分野での商品開発も推進していく。

SSDプロジェクトは木材建材大手販社である紅中と熊本県球磨地区の林業・木材産業が共同で商品開発を進め、素材生産から製材・加工、需要家直結型の製品販売という一気通貫型で産地と市場を直結させた新しい事業モデルだ。特に梁桁材は、同地区で伐期を迎えた末口40㌢を超える大径木の有効活用を目指し、丸太状熱処理を前工程とした芯去りKD平角を開発し、さらに機械等級区分構造用製材でJAS格付けされた梁桁材を供給する。

「年々大径木が増加する国産材人工林立木の活用は喫緊の課題。上球磨地区でも伐採される丸太の元木すべてが40㌢径以上で50㌢級も多い。しかしながら、かつて林家の稼ぎ頭であった元木大径木が役物需要の減退で大幅に価格が下落している。量産製材工場や合板工場では使いこなせない大径木の新たな活用方法を考えていく必要があった」(同プロジェクト)と指摘する。

SSDプロジェクトでの杉梁桁材は、大径木を伐採後、初めに専用の熱処理設備で材温80℃以上・40時間を目安に丸太熱処理して、反り・曲りの原因となる内部応力を緩和させ、製材工場でこの丸太を芯去り2丁取りし、養生乾燥、仕上げ乾燥、グレーディングを経て出荷される。芯持ちの杉KD柱角も用意され、柱角、平角はともにJASの機械等級区分に従った格付けによりE70を基本として選別出荷される。また、柱角ではE-90以上の高強度部材のみの選別出荷にも対応する

平角取得後の側材も乾燥が進んでおり、無節の付加価値製品として出荷される。越井木材工業(大阪市)と連携して側材を活用した「球磨杉SSDサーモサイディング」を商品化し、高耐久ムク外装材として供給を行う。同様に造作材メーカーなどと連携してシステム階段、巾木、廻縁、枠材、サーモサッシ、サーモデッキ、建具などもOEM商品化している。

「高効率芯去り平角は干割れが軽減され、KD後に仕上げ加工するため寸法精度が高い。元木大径木を原材料とするため、無節の平角採取ができ化粧梁にも適している。機械等級により無等級に比べ正確な強度を確認でき、構造設計の面でも対応しやすい」(同)と語る。

紅中では同材を使用して、既に累計20棟ほどの木造新築住宅を手掛けているが、新たに地場有力ビルダーと標準採用に向けて検討を進めている。「JAS機械等級区分構造用製材に対するビルダーの関心は決して低くなく、国産材構造材で構造計算ができ、耐震性能に優れた長期優良住宅で差別化を図ろうとしている取り組みが増えつつある」と語る。

同社では併行して非住宅木造建築物でも積極的に提案営業を進めている。現在、建築延床面積874平方㍍の木造多機能型事業所桜の園(福祉施設、守口市)を建設中だ。引き続き、公共、民間双方で非住宅木造建築分野での提案を行っていく。