次は感覚的環境についてです。

木材の比重は0.1~1.3と樹種や個体でバラツキがあり、建築に使われるものは0.3~0.8くらいまで、いろいろな物があるのですが、この比重が小さいほど触れたときに暖かく、大きいほどに触ると冷たいです。木材はバラエティに富んでいるので、使い方さえ考えれば、冷たくも暖かくも感じられます。つまり、適材適所です。

次は、視覚的な特徴です。

木の色についてですが、青い色の木材は、世界中のどこを探してもありません。しかし、それ以外の色はほとんど存在しています。そのため、色を利用して多様性に富んだ使い方ができます。木材の色とは一体何かというと、元の色は赤から黄色の範囲内で、橙が基調です。波長の長い領域で、長波長の赤や黄色を木材が反射し、短波長の紫や青を吸収する、そのため、紫や青は目には入ってこないということです。そのような意味では、青も存在します。紫を吸収するので、木材は人間に害を与える紫外線をも吸収します。

さらに、木材の表面は細胞であって、実は表面はでこぼこであり、そのでこぼこが、差した光を乱反射しています。そのため、目に優しいです。

次は、聴覚に関してですが、声の響き方について、説明します。

この波は何を示しているかというと、ここで表紙にトンと打つと、その音が、何秒間残っているかというのを調べ、和室では0.1秒でほとんどなくなってしまいます。この鉄筋コンクリートの住宅では、いつまでも音が反射しています。ずっと残響しているということです。これはどういう事かと言うと、二人で会話をすると、相手の言葉と自分の言葉が重なり、二組が話をすると二組の話が重なる、すると何を話しているのかわからなくなり、耳が常に刺激を受けているので非常にいらつく、という現象が起きます。