HOME 構造計画(躯体)の解説 構造計画の目的 内外装材(国産無垢材) 空気環境の考慮
内装床に国産栗の無垢フローリングを使用

土足で歩く商業施設の床には堅木のフローリングが適していると言える。当該案件では、最近では希少価値が出ている国産栗の無垢フローリングを採用している。熊本県上球磨地域に所在する5ヶ所の原木市場を通じて収集した原材料を大阪にて仕上げ加工を行う。栗は堅い上に腐朽に強い木である。昔は、土台等に高級材として使用されていた。

■部材提供 ㈱葵建装(堺市美原区)
天井に杉構造躯体の現し工法を採用

木造の建物を印象付ける事と、無垢材の調湿効果等を活用した屋内の良質環境確保を目的に、過半の天井に杉構造躯体の現し工法を採用。この工法の天井板に、前出の杉無垢板による構面の強度確保の手法を用いて、建物の強度性能を担保。

■技術提供 ㈱紅中(大阪市浪速区)
杉の空気浄化作用等の効果を活用した「木口スリット材」を採用

(社)大阪府木材連合会と京都大学が共同研究開発した杉無垢「木口スリット材」を天井の一部に採用。この「木口スリット材」は、杉無垢材がもつ空気の浄化作用等の効果を最大限引き出す事を目的に開発された製品で、空気に触れる木口面積を確保する為に、繊維方向に対して垂直にスリットを刻んだものである。このスリットが機能面に加えて、意匠の面においても特徴となっている。

■部材技術提供 ㈱パネシス(大阪府岸和田市)
外部使用木材に国産無垢スーパーサーモ処理(高熱処理)材を使用

越井木材工業㈱(大阪市住之江区)が有する木材加工技術で、スーパーサーモ(高温熱処理)を行う事で、無垢木材に、薬品に頼らずに、高耐久性能と形状安定性を付加する技術。当該案件では、外壁の一部に貼る木製サイディングと、その他外部使用の化粧用木材に採用している。この技術を用いて、国産無垢材による木製サッシ(窓)等の制作も可能であるが、今回は、行政の防火地域の変更が重なり、採用を見合わせた。

■技術提供 越井木材工業㈱(大阪市住之江区)
内外透湿抵抗値比の考慮と調湿性能等の性能を重視して建材を選択
1.構造用外壁面材は採用せずに、躯体に直接遮熱透湿防水シートを貼る。上から通気同縁で押える。
2.断熱は、高い断熱効果と湿気の吸放出(調湿)及び透湿性能を兼ね備えたセルロース充填工法を採用する。
3.筋交は木製を使用せずに、セルロース充填の妨げに成りにくい金属ブレス(商品名:コボット)を採用する。
4.内装壁仕上げ材は、PB下地の上に、調湿、消臭、化学物質吸着性能を持つ漆喰塗料を採用する。
5.木製サイディング以外の外壁仕上げ材は、樹脂モルタル水系塗料仕上げとし、通気層を確保する。
6.上記構成では、壁体内の内外透湿抵抗値比が3:0となり、壁体内結露のリスクが最小限に抑えられる。
7.内部仕上げ材、セルロース及び内装無垢木材の効果により、室内空気は常に調湿されている。
8.上記建材は全て自然素材によるもので、シックハウスのリスクを最小限に抑える事が可能である。
9.壁体内に充填するセルロースファイバーに含まれるホウ酸の忌避効果で白蟻の食害リスクを抑えられる。
10.上記ホウ酸は、眼科での消毒に用いられる薬品で、人体に与える影響・リスクは小さいものと考える。