私共SSDプロジェクトは、国産木材の普及促進を目的として活動する組織です。その成果を得るには、国産材の品質表示(グレーディング材)提供が最も有意義であるとの考えから、品質確保のための技術開発や供給体制の構築に努めてきました。

SSDランバーが、品質表示材(グレーディング材)であることの有意性を御理解いただくためには、その効果的な活用方法を提示する必要があると考えています。又、その活用法が、これからの木造住宅の性能確保に貢献出来る事が必須条件となる事も承知しております。SSDプロジェクトではこれまで、構造用部材自体(SSDランバー)の開発と共に、SSDランバーを使用する建物の企画開発及び、その中で使用する建材商品や各種工法の開発も手掛けてきました。これらは今後とも鋭意継続に努める所存であります。

これらの開発を行うにあたって、私共は、構造躯体の強度性能の明確な確保による安全の追及と共に、国産無垢材が自然素材である事の特徴を活かして、生活環境への安心の獲得にも努めております。他には、国が、サスティナブルな循環型社会の形成を目指して推進する、ストック型社会構築の為の、「長期優良住宅」認定制度において、求められている建物性能の確保を基本としています。

平成21年度に、国土交通省が推進する「長期優良住宅先導的モデル事業」にSSDコンセプトの企画住宅を提案申請し、その内容が認められ、採択を受けました。SSDの長期優良住宅先導的モデルは平成22年度をもって終了しましたが、同様のコンセプトの企画型住宅(SSDコンセプトハウス)を多様なテイストでアレンジして、改めてSSDプロジェクトユニオンから御提供致します。第一弾として、2011年11月に2タイプのSSDコンセプトハウスを発表させて頂く予定でおります。

この企画型住宅(SSDコンセプトハウス)は、グレーディング材の活用を始め、SSDプロジェクトがこれまでに開発したノウハウを網羅した内容になっております。下記にて、私共の建物の基本性能確保の考え方と、それに関わる開発内容を提示させていただきます。

ただし、私共は、この企画型住宅を販売する事が最終目的ではありません。国産無垢木材にグレーディングを施すことで、確実な品質確保と多様なニーズへの対応が可能となり、ひいては国産無垢木材への信頼を獲得する事の指針となるべく、御提示するものであります。このSSDコンセプトハウスに拘ることなく、SSDランバーを理解頂き、御採用頂ける全ての方へ、私共の開発内容を開示、御提供いたします。私共がSSDランバーで思い描いている、明確な品質確保住宅で安全・安心且つ良好な住環境を、多様な形で具現化頂ける事を切に願っております。

 

グレーディングマシンで強度性能を確認した部材のみを使用

このサイトを御覧の皆様は、建物の強度性能を確保する上で、構造躯体に使用される個別の部材の強度を把握して、構造計画を作成する事は、至極当然の事と思われるでしょう。しかしながら現実は、無垢の木材を使用するにおいては、殆どが部材の強度を確認する事無く設計及び建設工事が進められているのです。

無垢の木材を使用する場合に、それぞれの樹種(杉、桧、米マツ、etc等)ごとに定められた推定強度を判断基準として、構造計画が進められています。推定強度が平均値を示すものであるとするならば、使用されている部材の約半数は、基準強度を満たしていないと言えます。その不足する強度の値が極僅かであれば、それほど大きな問題ではありません。しかし、木は自然の恵みです。均一な品質(強度)を求めることは不可能です。杉を例にとると、強度の低い物はE-30(ヤング係数:木材の総体的な強度を示す値)から、高いものはE-130にまでバラツキがあり、その値は4倍以上にまで拡がっています。この様な状況下で、杉の推定強度E-70と仮定して、一概に処理をしてしまう事には、疑問を感じます。加えて、建築基準法では、主要な構造躯体に使用する材木は、最低でもE-50以上の強度を持っている事と定められています。しかしながら、その殆どが、強度を確認せずに使用している事を考えると、現実には、定められた最低強度を満たしていない部材が含まれているとの推測も出来るのです。

 

SSDランバーの製品特徴は、一本毎に強度を確認した上で表示している事です。グレーディングマシン(機械式等級選別機)を用いて、個々の部材のヤング係数を計測し、建築基準法で定められているE-50未満の部材は選別除去する事は勿論のこと、更にSSDプロジェクト独自の品質基準を設け、この基準に合格する部材のみを、その品質内容を部材自体に表示(印字)して提供します。この部材(SSDランバー)を使用する事によって、明確且つ実質的な強度性能を有した木造建物の計画及び、建設が可能になります。

 

構造計算活用とその必要性

現在の日本の法律では、木造建築において、2階建て以下で且つ500㎡未満の建物については構造計算を省いても構わないという特例(通称:4号特例)があります。国として、この特例は廃止する方針でいますが、その時期が決定されずに既に数年の時間が経過しています。近年、自治体によっては、確認申請時や現場検査時に、耐力壁の数量や耐震補強金物について確認するところもありますが、いずれにしても、推定で建物強度を計っている現状です。

この事に対して、私共SSDプロジェクトは疑問を持っており、「全ての木造建築に構造計算を!」との提言を行い、実践も行ってきました。事実、1981年以降(建築基準法改正後)に建てられた建物においても、83%が耐震診断評点1.0に満たないとの調査結果もあります。(日本木造住宅耐震補強事業者協同組合(木耐協)2011年8月30日発表)主な原因としては、壁量は足りているものの、壁の配置バランスが取れていない等との事です。

構造計算を行うには、若干のコスト(¥150.000程度)が掛りますが、建物の強度を確保する上での基本であり、住宅建築の最大目的(命と生活を守る箱)を遂げるための必要経費と割り切って、最優先で予算に組み込むべき項目であると考えます。

一般の方々の中には、今までの木造住宅で、その殆どに、構造計算が行われていない事を、初めて知る人も居られると思います。又、既に住宅を所得されたひとの中にも、当然、構造計算がされているものと信じていた方もいるでしょう。これまでは、住宅の性能の確保については、設計者や施工者への「信頼」で成り立っていました。この信頼関係はこれからも必要な事ではありますが、その信頼を発注者・受注者の双方で共有するためにも、明確な基準(構造計算書等)を持つ事に意義があります。

多くの方が住宅を取得する際に活用する住宅ローンには、大概の場合、生命保険がセットになっています。これは、「家は命と引き換えに得る財産である」とも言えます。この大切な資産が、取得と同時に、中古案件として、その価値が減少していく現実があります。これには、今までの住宅建築が建物性能を曖昧にしてきた事にも原因があると考えます。家(かけがえの無い財産)の資産価値を証明する面からも、明確な建物強度を示す証として、構造計算を行う事を提案します。

SSDコンセプトハウスは構造計算を、以下で説明する「SSD構造計算手法」を用いて行う事を必須条件としています。SSDランバーを使用していても、この措置を施されていない建物はSSDコンセプトハウスとは認められません。


SSD構造計算手法

前に述べている通り、SSDランバーの特徴は、部材の個々に品質を確認して表示保証している事です。その強度が明示されている事を効果的に構造計算に反映させることで、更に明確な建物強度を確保する事がSSD構造計算手法を定めた事の目的です。

構造計算を行う場合に、部材の強度を、その使用箇所ごとに設定します。そこでつかわれる部材が高強度であればそのサイズは小さな物でも使用可能ですが、その強度が低くなればなるほど、部材サイズの大きな物が必要になります。構造計算は、これら部材の必要強度やサイズを導き出します。しかしながら、使用する部材の強度が推定強度でしか無ければ、構造計算によって得られる結果もあくまでも推定の建物強度でしかないのです。品質を確認された部材(SSDランバー)を使用することで、明確な構造計算結果を得る事が可能になり、推定ではなく、実質的建物強度を確保する事が出来るのです。

SSDランバーと構造計算を活用することで、更に確実且つ、より安全側への強度確保が可能になります。例を上げると、杉を構造用部材として使用する場合には、一般的にE-70(杉の推定強度)で計算を行いますが、SSD構造計算手法では、その強度を、建築基準法で定められている最低強度E-50に設定して計算を行います。この方法で得られる計算結果(部材サイズ等)に対して、実際には、E-70以上の部材を使用することでより安全な建物強度の確保に努めます。特別の事情で(大型梁桁や化粧材等)E-50の強度しかない部材を使用する場合には、計算が求めているサイズ以上の部材を使用します。

更に細やかな措置として、部材の使用箇所毎の計算結果に対して、個別の措置を行います。例としては、杉をE-50で計算した場合に、時として、強度及びサイズとも不足している場合が発生します。この場合には、その箇所に、より高強度な部材を使用するか、或いは高強度な樹種(桧、松、集成材等)に変更する等の措置を行います。

建物強度の明確な確保について、構造計算の必要性は御理解いただけるものと考えております。その上で、品質表示材(SSDランバー)を使用する事により、その構造計算結果を明確に実行できる事も併せて御承知頂ける事を望みます。更に、品質表示材を活用することで可能となる、建物強度の確保の開発技術について次項で御説明いたします。



 

金物接合工法と無垢材による在来木造軸組み工法の併用工法(木造軸組みハイブリット工法)

近年、木造軸組み工法において、部材の接合部に専用金物を用いた工法が開発され、多種多様のメーカーから提供されるようになりました。この接合工法は、確実な接合耐力性能が確保される事や、部材への接合用加工(仕口)に伴う断面欠損を防ぐ等の利点がありますが、その全てと言っても差支えが無いほどの殆どが、部材に集成材を使用する事を前提として開発された技術であります。厳密に言えば、無垢材には使用する事の出来ない技術でした。提供するメーカーの立場からすれば、品質が不均一な無垢材に使用することで、本来の接合耐力が得られない可能性があり、使用した場合の結果に責任が持てないとの見解です。

SSDプロジェクトとしては、この金物工法の特に有意な点(通し柱と桁の接合における柱の断面欠損の回避等)を、無垢材の建築にも取り入れる事に意義を感じて、各メーカーの金物を試験機関に持ち込み、比較試験(せん断試験)を行い、最も成績の優れていたHS金物(㈱グランドワークス社製)を選定し、メーカー未承認ながらも、試験結果を根拠に自己責任で採用していました。その後、メーカーである㈱グランドワークス社においても、グレーディング材の均一な品質性能を理解頂き、公的試験機関(熊本県林業研究指導所)にて正式な試験を行った上で公的データを取得頂き、晴れて公に無垢材への金物接合工法の採用が可能になりました。国産無垢材(杉、桧等)に使用可能な金物は、恐らく、このHS金物が唯一であると推測されます。ただし、この金物を無垢材に採用する場合には、その品質が一定の基準(E-50、D-20)以上である事をグレーディングにより確認・保証されている事が必須条件となります。

 
SSDプロジェクトにおいては、このHS金物を公的試験データに基づいて、特に使用が有意である部分(柱脚・柱頭部分、柱と横架材の結合部分)において採用し、以外の部分(横架材と横架材の接合等)には、従来の木造軸組み工法の仕口を採用した、金物工法と在来軸組み工法の併用工法(通称:ハイブリット工法)を推薦しております。これは、十分な建物強度確保とコストパフォーマンスを考慮した結果です。一部加工上の制約もあります。 このハイブリット工法の採用に至らずとも、在来工法の欠点とも言われる通し柱と桁の接合部分(在来工法:大入れ仕口部分)のみでも、このHS金物を採用する事をお勧めいたします。国産無垢材の木軸工法に、部分的にHS金物を採用した建物の実績は、100棟を超えるまでになりました。(2011年秋現在)
 

杉無垢材による門型ラーメンフレーム(LSB接合工法)

規模の大きな建物や、インナーガレージ等大きな空間を設ける場合に、木造建築において構造上重要な役割を持つ耐力壁が確保できない場合が多々あります。このような場合に門型ラーメンフレームを活用する事が解決策の一つとなります。

門型ラーメンフレームとは、大型の柱(扁平柱)と梁を鳥居型(門型)に組んで、その中の空間に、あたかも耐力壁が存在するかのごとき耐力(強度)を確保する工法です。当然、柱と梁の接合部には強大な接合耐力が要求されます。この部分にも専用金物を使用する事が一般的で、前述同様に、各メーカーから集成材使用を条件とした各種商品が提供されております。

SSDプロジェクトでは、前述の手法と同様に、杉無垢の品質表示部材と金物を公的試験機関(熊本県林業研究指導所)に持ち込み、せん断試験等を行って公的データを取得しました。公的に使用可能な、杉無垢材で構成される門型ラーメンフレームは、他所では無いものと推測します。重ねて申し上げますが、使用する部材がグレーディングにより一定の品質を確認・保証されている必要です。加えて、門型ラーメンフレームを使用する場合には、基本的に、構造計算により建物の明確な構造耐力を示す事も必要になります。

SSDプロジェクトが無垢材の門型ラーメンフレーム実現のために選定した専用金物は、京都大学生存圏研究所小松幸平教授が発明し、前出の㈱グランドワークス社が商品化・提供するラグスクリューボルト(LSB)を使用した専用金物です。この門型ラーメンフレームを活用して、インナーガレージを設けた3階建て住宅や、1階に店舗スペースを設置した建物、間口の狭い建築地への対応等の実績を重ねています。


杉無垢本実板による水平構面剛性(床倍率)の確保

近年の木造建物において、耐震性能等の建物強度を確実に確保するために、耐力壁と同様に、水平構面(床組み等)の剛性が重要視されるようになってきました。以前の木造建築ではこの水平構面の剛性を「火打ち」と言われる措置で賄っていましたが、その強度は、概ね0.5倍(床倍率:構面の強度の尺度)程度の物でした。最近では、横架材に厚板合板を直接貼り付けることで、1.2倍~3倍の構面剛性を確保する工法が主流となっています。

構造用木材に無垢材を志向されるユーザーの方々には、自然素材志向の方が多数いらっしゃいます。この中には、接着剤を多量に使用する合板に頼らない家造りを望まれる方が相当数存在されていますが、建物強度と自然素材のどちらを優先するかの選択を迫られるケースを度々見受けました。SSDプロジェクトでは、自然素材の無垢構造材にグレーディングで品質を明確にした事と同様の思想で、脱合板・脱集成材の家でありながら、明確な性能を有している事を実現すべく工法の開発を手掛けてきました。

その開発工法の一つが杉無垢本実板による水平構面の剛性確保です。杉板の形状やサイズ、使用する釘の種類、本数、打ち方等を検討の上、合板と同等(釘川の字打ちの場合)の床倍率1.2倍を確保する事が可能になりました。この工法を活用するには、杉板の厚みを30㎜以上確保した本実形状で尚且つ、十分な乾燥がされている事等が必要条件となりますが、安定した性能を確保するために、受け側の横架材が一定以上の品質を確認・保証された部材で構成されている事も肝心です。

 
この開発結果においても、公的試験機関(宮崎県木材利用技術センター)の試験にて実証の上、公的データとして取得しております。これらの公的データ(前述の金物使用含む)を活用するには、構造計算時にデータを反映させた構造計画を作成し、公的データの根拠となる試験成績書等を審査機関等に提示する必要があります。
 
 

私共は、建物(住宅)の根本的使命は「命と生活を守る箱」との考えを持っています。住宅建築が、完成した時点でどれほど素晴らしい性能を持ち合せていようとも、その性能が、箱(住宅)の中で生活が営まれ続ける限りの長期にわたり、保持できなければ、全くの意味を持ちません。

しかしながら、住宅(建物)が時間の経過と共に劣化していくことは物理的見地からの事実です。その劣化の速度を大幅に遅らせる為、建物に耐久性能を持たせる措置を施すのですが、それだけでは不十分です。住まい手が適切なメンテナンスを行う事が建物を長持ちさせる事の基本であると御理解下さい。このメンテナンスが容易に行える事も建物の耐久性能の一部であると考えています。

木造の建物の構造躯体を構成する木材は、適切な措置をする事により、他の材料(コンクリートや鉄等)よりも優れた耐久性能を発揮する材料です。日本の歴史的建造物が数百年にわたり現存している事がそれを証明しています。

近年の木造建屋(特に住宅)は、誤った経済性や快適性を追求して耐久性能確保を疎かにした上、高度成長期に大量消費、大量廃棄の文化が根づいてしまった事等から、平均寿命30年代の残念な状況に陥ってしまいました。これを一要因として、木造建築は弱いとの間違った認識を、多くの一般消費者に与えてしまいました。本来、木造建築は適切な措置とメンテナンスによって長持ちする建物で、最近話題となった「200年住宅」の実現も可能なのです。


構造躯体(木材)の耐久性能確保

木材は、伐採後、時間の経過と共に乾燥等の作用により、長期にわたってその強度を徐々に増していく(最終的に1.5倍程度)特徴を持っています。これは建物の性能を保持するためには有意な特徴であり、コンクリートが実質耐用年数100年であることからすると、優位であるといえます。この木材の優れた特徴を阻害する要因が「水分」の存在です。

木材が、その使命を果たせなくなる事象として、腐朽(腐れ)と白蟻等の食害があり、これらがその大半を占めています。又、竣工後に木材の乾燥による形状変化から、ボルトの浮き等の接合部の不具合や、梁のたわみ等の発生もあります。これらに共通しているのが「水分」の存在です。腐朽や白蟻の食害の発生にはそこに十分な水分が必要ですし、乾燥に伴う形状変化は、乾いた木材(乾燥材)を使用することでふせげます。つまり、乾燥した木材を使用する事が、木造建物の耐久性能を確保するための基本となります。

SSDランバーは、その強度と共に、部材一本毎に、含水率を計測して表示した品質確保の木材です。その為に、強度を損なう事の無い独自の木材乾燥法を開発の上、採用しています。SSDコンセプトハウスの耐久性能確保の基本は乾燥木材の使用から始まります。


木造建築の大敵「結露」を防ぐ措置

人間は、生活することで、多量の水分を空気中に発生させています。それと並行して、人は、室内に快適な温度を求めます。結果、内外に温度差が生じて、その境界面に「結露」が発生し、水が現れます。窓ガラス等で起きることは多くの方が御存じでしょうが、この現象が建物内の見えない場所(壁の中等)で発生し、気付かずに放置してしまう事が、木造建築にとって、決定的ダメージになります。この水分に起因して腐れ等、前項の事象が起こってしまいます。この他、雨漏りや、配管漏水等による構造躯体内での水の存在が同様の事象を引き起こします。

これを防ぐために、水分が入らない措置をすることは当然ですが、防御とは想定の範囲内でしか対策がとれません。万が一、水分が入り込んでも、そこへの滞留や結露を起こさないように、排出する機能を基本性能として設けておく事が必要であると考えます。その結果、全ての構造用部材が空気に触れていて、常に乾燥している状態を保つ事を理想としています。

現実に行う措置として、外壁面に通気層を設け、小屋裏、床下の換気を十分に取る等の措置は、一般的に行われている事で、SSDコンセプトハウスでも既採用済みですが、SSDプロジェクトでは、それらに加えて下記の仕様を基準としています。

  1. 1.建物内の湿気を外部に排出する妨げとなる合板(透湿抵抗値10以上)等の、高透湿抵抗値部材の仕様を避ける。
  2. 2.建物をラップで包むような、高気密工法や外断熱工法を採用しない。
  3. 3.断熱材は、透湿抵抗値の低い繊維系断熱材の使用を基本とし、尚且つ、省エネ等級4を確保できる性能の物を使用する。
  4. 4.外壁面への断熱材充填においては、内外の透湿抵抗値比を次世代省エネ基準以上に確保する。或いは、結露計算を行い、壁体内結露の発生しない状況を整える。

SSDコンセプトの防腐防蟻性能確保

SSDコンセプトでは、防腐防蟻処理に薬剤を使用する事は極力避けたいと考えています。国産無垢材(杉・桧)は、住宅建築に使用されている外材のどの樹種と比べても、防腐防蟻性能に優れております。外材は、この耐久性が劣る面を化学薬品使用にて補完していますが、これらの薬品には毒性が含まれています。その上、薬品は、時間の経過と共に、必ず効果が消滅してしまう物です。通常、薬品メーカーが効果を保証している期間は5年間です。又、これら薬品を使用した材を廃棄処分する際には、ダイオキシン等の環境へ与える負荷も無視できません。

沖縄県は、関西や四国、九州に比べて、白蟻による被害が極端に多大な所です。この地方では防腐防蟻剤を使用した集成材(外材)で住宅を建てることは少ないそうです。薬品に頼っても時間と共に薬効が切れれば、途端に白蟻の食害に合うそうです。結果、木材等の森林資源に乏しいこの地方では、飫肥杉等、九州産の杉の赤身(芯材部分)を、通気に配慮しながら活用する事が主流となっているとの事です。

SSDコンセプトでは、桧・杉等の樹種や寸法を考慮して適材適所に配置し、併せて、通気層確保等、前項で述べている「構造木材が空気に触れている状態」を確保することで、防腐・防蟻剤を使用せずに、住宅性能評価の耐久等級3及び4の性能確保に努めます。この手法であっても、長期優良住宅認定、フラット35仕様、住宅性能評価等の申請業務に差し支えることはありません。

この場合に、主要構造用部材以外の木材に、通常では使用されていない樹種の部材(間柱・筋交い等の羽柄材や下地材への桧採用等)を用意する必要がありますが、SSDPではこれらの特殊部材を準備し、ラインナップしています。

又、いたしかたない事情で、防腐・防蟻剤の使用が必要な場合には、「天然ピレトリン」(除虫菊成分)や「炭」等の天然由来の処理材を使用する事をお勧めします。

 

SSDコンセプトハウスは長期優良住宅が求めている性能を確保する事を基本としています。国産無垢木材を使用して、脱合板・脱集成材等接着剤や化学薬品に頼らずにこの性能を証明するには、審査機関等との見解の摺り合わせなど、一般住宅に比べて、困難な部分があります。それらに対して、今まで述べてきた強度性能や耐久性能の確保の手法や公的データを駆使して対応します。長期優良住宅の本来目的と、より安全・安心と良好な住環境の提供を目指しています。

尚、長期優良住宅認定制度における認定については、ユーザーの認識や考え方及び、認定に掛るコスト等の観点から、ユーザーの判断にお任せします。