木材乾燥の必然性

阪神大震災において、木造家屋の倒壊理由として「老朽化」が指摘されているが、調査の結果、その要因は木材の経年変化(収縮・反り・割れ)による接合部の 不具合と生物劣化(腐朽菌による腐れ・シロアリ等の食害)であった事が報告されている。(大阪市立大学生活化学科 土井正講師 ミサワホームテクニカルレ ポートVol67)

上記要因のリスクを軽減する為には乾燥した木材を使用することが有益な事は周知の事実であり、その措置は不可避である。木材の経年形状変化はその乾燥の過程の中で発生するもので、当初から乾燥した木材を使用することで回避できる。生物劣化についても、その発生条件である水分を取り除く事で、被害を抑制する事に効果を持つ。国産木材の代表格である杉・桧は耐久性・対蟻性能に優れており、乾燥させることでその効果が拡大する事が確認されている。

生物劣化に対する化学薬品(防腐防蟻剤)の効果は時限的で有る事や、人体・環境に対する負荷の見地からも、まず、第一に木材を乾燥させることの必然性は容易に推測できる。

住宅の長寿命化を見据えた性能が求められている現在、建築基準法等での規定は無いものの、その主たる構造用部材として使用する木材が乾燥材である事は、絶対必須項目である。