日経BP社のレポートでは、世界のスマートハウス・ビル市場は、2010年は1兆円程度であったが、2015年に約22兆円、2020年には65兆円に達すると予測している。我が国の市場も20年には5兆円の規模になるという。
スマートハウスとは、エコガラスや太陽電池、蓄電池、高速光通信などを備え、これらとスマート家電やタブレットデバイスが連携して快適で暮らしやすい環境を実現した近未来型住宅のことである。日本企業でも、積水ハウス、大和ハウス、トヨタホーム、住友林業、ミサワホーム、パナホームなど各社スマートハウスの新商品開発に余念がなく、それぞれが大手電機メーカーと共同でスマートハウス開発に邁進しているというニュースが住宅業界を賑わせている。一方、自治体との連動において、"スマートハウスタウン"の要素の開発も計画されており、現在あるIT技術やエネルギー開発技術を駆使した住宅が続々と出現していくだろう。
1棟1棟丹念に作り上げた住まいを提供する地場工務店やビルダーも、この流れには無関心ではいられない。地場工務店は、商品開発への資金、時間、人材を投入することは厳しくまた、小規模な開発では対応の困難な分野である。しかしながら、大手ハウスメーカーとの競合は避けられない。地場工務店1社では太刀打ちできないジレンマに陥る状況が予測される。
この状況に対応すべく考えられる案の一例として下記が考えられる。
1社でなく複数社で、プロジェクトを組んで商品を造りそして供給する。社単位でなく、家造りにおいて理念が合致する企業同士がコラボレーションすることで、大手ハウスメーカーにない、地域ユーザー密着型の住まいの供給を目指す。
コスト面など諸々の詳細が不確定な現状にある物の、次世代の住宅であるスマートハウス市場への参入が、近い将来に、必須となる事が予想される。1社で対応を実施すると、不完全な結果となるか、或いはかなりの高額な住宅となり販売の実現性に欠ける事が予想される。地場企業が共同で商品開発して造り上げることを試みて、一定のスケールを確保すれば、大手電機メーカー等の協力も取り付けられるのではないか。木の温もりや住まい手の想いを丁寧に形にし、そのうえで最先端技術を導入した住まいを提供すれば、優位性を確立できるのではないだろうか。
渡邊豪巳