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2012年02月24日
省エネ法改正 需給両面を抑制できる社会を

東京電力福島第1原発の事故を受け、電力需要抑制に向けた対策の柱となる「省エネ法」改正案が示された。

供給側、需要側の双方が省エネにつながる情報や目標を共有することで、電気使用量を抑えるのが目的。政府は3月初めに閣議決定し、今国会での成立を目指す。

脱原発依存と電源多様化の時代に備え、低炭素社会の実現は急務だ。電力需要抑制に必要な仕組みづくりのため、今後も改正を重ね熟成させなければならない法律だ。

改正案はまず、電気使用状況や電気使用量の推移、需給予測などに関する情報開示を電力会社に義務づけている。具体的には消費者がそれらの情報を把握できるような機器の整備を求めることで、計画的な省エネを目指す。

この制度を生かすには、消費者が積極的に情報を求め、生活を見直す姿勢も必要となる。需給予測などのデータを把握し、目標を設定することで、節電意識向上にも一層の効果が期待できるはずだ。

また電力会社には、電力需要が大きい時間帯に使用量を抑える「ピークカット」に効果的な新料金制度の導入計画を求めている。消費者や企業がピーク時の使用量カットに貢献した場合、通常の省エネよりも評価されるよう、現在の仕組みを見直すという。

電力のピーク時と平常時の格差を平準化するため、需要と供給の両面から取り組む戦略だ。電気の安定供給と削減のため、今後もなお電力需要の平準化へ多様な取り組みを進めねばならない。

今回の改正で最も注目したいのは、エネルギー消費効率が現在で最も高い製品を参考に、それをさらに上回る性能を企業側に求める「トップランナー制度」の拡充だ。

これまでは乗用車、エアコン、テレビなど23品目が対象だった。改正案はこれに窓や断熱材、水回り設備などを加え、建築材料を製造、加工、輸入する事業者にも省エネ性能の向上を義務づける。

住宅分野は近年、著しく需要が伸びている。半面、省エネ対策が遅れているとの指摘もあり、制度導入は待ったなしの課題だった。新築や改築などに合わせ、適合した材料を企業が速やかに提供できるよう、具体的な目標や数値化を関係省庁に求めたい。

トップランナー制度の基準に達していない製品を販売している企業には、社名と商品の公表、罰金という制裁が科せられる。それほど、企業には低炭素社会への貢献が求められているということだ。

今後も、電源多様化や生活様式の変化を見据えつつ省エネ法を改正し、持続可能な社会を目指さねばならない。むろん電力需要抑制には、消費者一人一人の意識向上が必要なのはいうまでもない。

2012.02.23  愛媛新聞 転載